九年母関係入賞句紹介※六月号より

◇「俳句四季」全国俳句大会 第二十二回第一次予選通過作品

    人動く度蠟梅の香の新た 岩水ひとみ

    裸木の呟きのごと瘤立ちぬ 大谷千秋

    地球儀を滌ぎて行かむ春の雷 柏木由美子

    白露を結びて美しき芝野かな 小柴智子

    靴底にガムの貼り付く西日かな 末永拓男

    冬ぬくし湯気を分けあふ中華街 杉山千恵子

    子の歳と同じと思ふ雛かな 平田あい

◇第23回NHK全国俳句大会入選句 入選作品 自由題

    出合ふ人笑顔にさせて七五三 坂口毬子

◇第二十六回 あなたの一句が地球を救う 心のメールキャンペーン入選句

日本伝統俳句協会賞

    未来とはこの鉛筆に大試験 池田雅かず

稲畑廣太郎選 特選

    未来とはこの鉛筆に大試験 池田雅かず

今井千鶴子選 佳作

    さいはての海見ゆるなりお花畑 芳林淳子

    パラグライダーふはりと降りし夏野かな 同

    つつましき去来の墓の野菊かな 同

    暗記して燈火親しむ詩集かな 同

    夜長の灯連ね復旧急ぐ町 山之口倫子

宇多喜代子選 佳作

    叡山へ一両列車花野ゆく 芳林淳子

    落柿舎の縁少し借り柿見仰ぐ 同

柏原眠雨選 佳作

    さいはての海見ゆるなりお花畑 芳林淳子

    幾度も富士振り返る避暑名残 同

    夜長の灯連ね復旧急ぐ町 山之口倫子

三村純也選 佳作

    さいはての海見ゆるなりお花畑 芳林淳子

    落柿舎の縁少し借り柿見仰ぐ 同

    幾度も富士振り返る避暑名残 同

    夜長の灯連ね復旧急ぐ町 山之口倫子

    神の留守とても恋絵馬恋みくじ 岩水ひとみ

星野恒彦選 佳作

    送火の炎の色の艶つぽく 芳林淳子

    モザイクのタイルの道の冬すみれ 同

    とんと網叩き白魚汲み上ぐる 池田雅かず

水田むつみ選 佳作

    幾度も富士振り返る避暑名残 芳林淳子

    夜長の灯連ね復旧急ぐ町 山之口倫子

    移住してやつとここまで今年米 宮本露子

宮坂静生選 秀句

    今年米この一匙を飢うる子に 宮本露子

宮坂静生選 佳作

    さいはての海見ゆるなりお花畑 芳林淳子

    幾度も富士振り返る避暑名残 同

    鷹渡る一点確と術後の目 猪谷信子

    未来とはこの鉛筆に大試験 池田雅かず

山崎聰選 佳作

    信号を待つ間の出会ひ赤蜻蛉 猪谷信子

    鷹渡る一点確と術後の目 同

山崎ひさを選 佳作

    幾度も富士振り返る避暑名残 芳林淳子

    移住してやつとここまで今年米 宮本露子